《One For the Vine》


「この曲のアイディアは”Trick Of The Tail”のときに出来ていたが、これだという曲に完成させるまで1年かかったんだ」(バンクス)

この曲がおそらくこのアルバム「静寂の嵐」で最も重要な曲でしょう。
とても美しいけどとても難解です。

”我は神に選ばれし者”のもとで数万の兵士が戦地に赴き、命を落とす。
そのリーダーは間違っていると知りつつも、戦いを続け

あるとき、ある者がリーダーへの忠誠に反して群れを離れ
山を登っていき、崖で足を滑らせて谷間へ堕ちる
落ちた先は氷の世界
驚いたのは彼のほうではなく、氷の世界の人々だった
人々は”彼こそが”神に選ばれし者だ!”と崇め奉る

違う!違うんだ!
俺は逃げてきたんだ 負け犬なんだ
どうか独りにさせてくれ!

谷間にさまよう彼は 水(water)と蔦(vine)に問い掛ける

よし 俺が彼らを導かねば
さもないと彼らが死んでしまう

氷の平原を進軍する その端まで着いたとき
ある者が群れを離れて 崖に向かうのが見えた
その男は 崖を飛び越え 消えてしまった・・・

水(water)と蔦(vine)は、何を意味するか?
超インテリのバンクスのことだから、そう簡単な隠喩ではないことは確かですが、
waterは「自分を映す鏡」、vineは「知恵」のことを示唆しているのかもしれません。

「リーダーとは、資質のあるものが成るのではなく、周りから求められて成るものだ」

ということ、それと、最近のイギリス議会を見てもわかるように

「政権交代は永遠に、無意味にも繰り返す」

ということを暗示している・・というのはどうでしょうか?

~つづく~


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