発酵食の歴史 : 4


《ノアの箱舟とワイン》

箱舟に乗ったノアが新天地に到着して最初に行ったことは「ブドウの木を植えてワインを作ること」であった。

”麦を植えてパンを作ること”ではなかった点が重要なのだ。

これは《ブドウの木は、植えても収穫できるまでに数年かかる》ということが背景にある。

つまり
ブドウを植えたら、そこに数年じっとしないといけない⇨ここに定住する⇨ここが新天地
という象徴なのである。

旧約聖書で、このノアの方舟にかぎらず あらゆる場面で 《麦ではなくブドウ、パンやビールではなくワイン》 なのは、そういう意味がある。

《新約聖書のパンとワイン》

さらに新約聖書を読めば、パンとワイン(ぶどう酒)がこの聖書の時代にどのように重要だったかは簡単に理解できる。

イエス・キリストは「このパンは私の体。このぶどう酒は私の血」と話している。
すべての人にとって、命を成している源はパンとワインだったのである。

また聖書には、イエス・キリストが
「パンやワイン(ぶどう酒)を5000人分も突然産み出し、人々に振るまった。人々は満たされた」
という奇跡のエピソードが書かれている。

これは先に述べたように
「パンやワインを大量生産して人々に安定的に供給できるのは、王すなわち指導者のあかし」
というシンボリックが背景にある。

イエス・キリストが当時の社会でリーダーシップを発揮している人物だったということをシンボリックに表現しているのだ。

ちなみに私はクリスチャンなので、この「5000人分のパンやワインを・・」という魔法のようなエピソードは、実際にあったことだと考えています。なんの根拠もないけど。。


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